放送局の心臓部ともいえる「自動放送運行装置(APS)」は、コミュニティ放送局などの小規模放送局向けのものでも数百万円の費用がかかるため、開局時よりもむしろ更新時のネックになることが多い器材のひとつです。また、基幹放送局は「原則として」APSを並列運用しなければならず、2代目の購入ができていないコミュニティ放送局も多いでしょう。

そこで、弊社では「導入コンサル」として100万円弱(くらい)でご納品させていただいているシステムと同等なシステムを「無料」で導入する方法をご紹介します。
なにせ無料でノートPCでも動くvMix、試しに導入してみるのも全然ありだと思いませんか?!

【前提となる要件】
このシステムを「すべて無料で導入」するには、ある程度の要件を確保する必要うがあります。
・全て英語でも乗り切れる
・「アンタイムイベント」は実装されていないので工夫が必要
・切り替えスタジオのは2つまでの制限
・音声ファイル(mp3、aac等)の扱いにはバグが残っているママなので、映像ファイルに変換して使う必要がある。
・PCでの処理なので、スタジオ音声にはレイテンシが出ることを許容する。

またすべてソフトウェア処理なので、低速な環境で利用するISDNコーデック程度の遅延が発生します。まあなにしろ無料なので、一回立ち上げてみてから導入の判断をしてもいいと思いますよ?

それではレシピです。

【必要なもの】
・vMix BASIC
https://www.vmix.com/からダウンロード。
・vMix Scheduler
https://forums.vmix.com/default.aspx?g=posts&t=999からダウンロード。
・パソコン
Windows 10が正常に動く環境。推奨としてはCPU i5以上、RAM 8GB以上、HDD 500GB以上。
・サウンドインターフェース
スタジオ1つに付きステレオ入力がひとつ必要。スタジオ内のミキサーにUSB端子があれば、それをパソコンにつなぐだけでもOK!
この記事では実験としてこのパターンで実装します。

【導入までの流れ】
・vMixのインストール
用意したパソコンにvMixをインストールします。.net Framework3.0が必要です。インストールされていない場合はインストールの案内が表示されます。

・vMix Schedulerを解凍
vMix Schedulerはインストール不要です。利用する際は解凍下フォルダの中にある.exeをそのまま起動します。解凍後、vMixControler.exeとvMixManager.exeを、それぞれ右クリックして「管理者として実行」にチェックをつけて下さい。(まだ実行しません)

・ミキサーをパソコンに接続する
ミキサーのUSB端子とパソコンのUSB端子を接続する。この際、ぱそこん側の接続ポートが変わると、vMixへの登録が解除されてしまうことがあるので、なるべく同じポートを使うようにします。また、USB HUB経由での接続は推奨しません。

・vMixを起動する
vMixを起動すると、画像フォーマットを聞かれるので「NTSC 720×480」を選択。その後、ライセンス認証画面へと遷移するので、「Register for free Basic Edition」を選択。Email Addressを入力してOKを推すと、vMixのアクティベーションサイトに移動するので、そこで登録を行う。登録後、登録したメールアドレスにライセンスキーが届くので、再度ライセンス認証画面から「I have a Registration Key」を選び、メールに記載されているライセンスキーを入力します。

・ミキサーを登録する
vMixの画面左下の「Add Input」から「Audio Input」を選択し、接続されたミキサーを選択します。(画面は「Steinberg CI1」を登録している様子)

登録後は、トレイに並んだミキサーの右下にある歯車のアイコンをクリックし、「Automatically mix Audio」にチェックをつけ、一番上のNameを適切に変更します。(S1などわかりやすいものに)

2つ目のミキサーを登録する場合も、同じ用に設定する。その際「Name」は同じにならないよう注意。

・vMix Managernの起動
vMixManagerを起動してイベントを登録します。イベントの開始時刻をまず設定し、続けてイベントを登録していきます。通常は[Video Clip]で完パケ、[Input]にS1などのオーディオ入力を指定することでスタジオ音声を選択します。完パケは自動的に時間を検出して登録されますが、手動で変更することも可能です。登録が完了したら「Push to Schedule」をクリックして、Controlerにデータを送ります。

・vMixControlerの起動
vMix Controlerを起動します。イベントが何も登録されていない状態で起動しますが、「Reload Schedule」をクリックすると、先程作成したイベントが読み込まれます。同時にvMixと通信ができる状態だと「ONLINE」の表示になります。

ここまでの作業で、ひとまずvMixはAPSをとして動作します。機能の区分としては、スイッチャの部分を「vMix」、運行管理の部分を「Controler」が担当しています。

尚、vMixには「ストリーミング機能」や「録画機能」が搭載されており、インターネット配信の利用が可能です。また、vMix同士で接続して中継を行う「vMix Call」などの機能も存在しています(有料ですが)。Office Stray Catでは、これらの機能を効率的に運用するためのサポートのほか、上記インストール作業のお手伝いをさせていただいております。お気軽にお問い合わせ下さい!また、カウントダウン機能(残り時間表示)を搭載し、音声ファイルが使えないバグをFIXした「改良版vMix Scheduler」もご案内しています。

【お問い合わせ】
info@stcat.com
03-6914-8120